行く前にこれだけは知っておきたい「チベット仏教」
「いつかチベットに行ってみたい。でもチベット仏教は全然わからないし、なんだか難しそう。」
そんな風に思われている方、多いかもしれません。

ここではチベット仏教について、チベットへ行く前に最低限これだけは知っておきたいという基本のキを解説します。
日本の仏教とどこが違う? チベット仏教のキーポイント

日本の仏教とチベットの仏教は伝わった経路と時期が違います。日本には仏教はシルクロード、中国、朝鮮半島を経由して伝わりました。仏教が中国に伝わったのは1世紀ごろ、日本に伝わったのは6世紀。仏教は日本に伝わる前に中国の思想や風習と結びつきました。そのため日本の仏教は中国風にアレンジされているのです。一方、チベットには7世紀にインドから直接仏教が伝わりました。そのため、インド仏教を忠実に受け継いだと言われています。●土着
の宗教も影響しています。
●「輪廻転生」を信じています。

チベットでは「死んでも魂は生まれ変わる」という輪廻転生が信じられています。どんなに憎い相手でも、たとえ虫けらであっても、前世では自分の母親だったかもしれない。チベット人はそんな風に考えて人にやさしく接し、殺生を嫌います。また、来世に何に生まれ変わるかは現世の行い次第です。だからチベット人たちは良い行いを心がけています。そして、ダライ・ラマなどの一部の高僧が亡くなると、生まれ変わりの者を探して後継者とす

これだけは知っておきたい「4大宗派」
現在、チベット仏教には大きく分けて4つの宗派があります。チベット旅行中はこれらの名前を良く聞くので覚えておくのがお勧めです。
ゲルク派
最も大きな宗派。ダライ・ラマをトップとする。開祖はツォンカパ。戒律を重視し、僧侶の妻帯を禁じている。
ニンマ派
最も古い宗派。開祖はインドの密教行者グル・リンポチェ。ボン教の影響が色濃い。妻帯する人もいる。
サキャ派
13世紀にモンゴルへの布教に成功して後ろ盾を得、チベット全土を支配していた。化身ラマ制度ではなく世襲で継承している。
カギュ派
化身ラマ制度を始めた宗派。多くの分派に別れている。密教色が濃い。
るのです(化身ラマ制度)。

ボン教の呪文が書かれたタルチョチベットに仏教が伝わる以前には、ボン教と呼ばれる土着の宗教があり、その特徴は自然神の信仰とシャーマニズムです。仏教がチベットに広がる過程で、ボン教の神様や儀式などを取り入れて、ボン教とうまく折り合いを付けました。現在でもチベット仏教にはボン教の要素を見ることができます。例えば五色の祈りの旗「タルチョ」に書かれている呪文、寺院で香草(サン)をたく習慣もボン教に由来していると言われています。